読書感想の記事 (1/4)

『白き女神を救え』読了 NUMA特別出動班vs水資源の独占を狙う大企業!

白き女神を救え (新潮文庫)

『白き女神を救え』 クライブ・カッスラー 、ポール・ケンプレコス著

クジラの集団死の原因を探るべく、メキシコ海域に向かったNUMAのオースチンとザバーラ。
だが二人は海中で高熱を発している施設を調べるうち、大爆発に巻き込まれる。
一方、ベネズエラの熱帯雨林で調査活動を行なっていたトラウト夫妻は、高度な技術力で
先住民を率いる「白き女神」と出会う。やがて彼らは皆、全世界で水系の制圧を狙う組織の
標的に―。(Amazonより引用)




「NUMAファイル」シリーズ第2弾。ボートレース中にクジラの死体に遭遇したことがきっかけで、
水資源を巡る陰謀に立ち向かう国立海中海洋機関のオースチンとザバーラの活躍を描いています。

前作の『コロンブスの呪縛を解け』は、ラスト付近がもうひとつでしたが、
今度の本は身近な水を題材に扱っているせいか、取っ掛かりやすかった。
小説の中で海水を真水に変える画期的な装置が登場しているけど、
現実世界で実現するには、まだ技術的な面や資金と時間がかかるのでしょう。


内容的にはやはりダーク・ピットシリーズと話の展開が似ている部分があるものの、
前作にも登場した海洋生物学者のガメーとポール夫婦が再び活躍していたのがうれしかったし、
水資源の独占を目論む長身の女性代表と、その手下であるサディスティックな双子の
殺し屋のキャラがおおむね立っていたのが好印象でした。

主人公が諜報機関や警察でもないのに、秘密の軍事施設に潜入しちゃったり、
敵の本拠地に殴り込みをかけちゃうのは御愛嬌~。


本家のダーク・ピットでも使えそうな小説の題材だったけど、
さすがに1年に何度もピットが事件に巻き込まれるのは、
『名探偵コナン』じゃあるまいし、と懸念して、
作者のカッスラーが遠慮したのかな~と思ってもみたり。
ただし、ダーク・ピット物の小説は20作を超えています。


また、秘密施設への潜入や大規模な爆発シーンもあることから、
ジェームズ・ボンド映画のプロットにも流用できそうな気もしたけど、
すでに『007/慰めの報酬』で水を独占するストーリーを撮っていたので遅かった。







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『大追跡』(上下)読了 敏腕探偵vs強盗処刑人

大追跡 (上) (扶桑社ミステリー)
大追跡 (上) (扶桑社ミステリー)

『大追跡』(上下) クライブ・カッスラー著

20世紀初頭のアメリカ。西部一帯の銀行で、冷酷無比な強盗殺人事件が頻発していた。
犯人につながる証拠はない。政府の要請を受けた“ヴァン・ドーン探偵社”は、通称“強盗処刑人”の
逮捕にエースのアイザック・ベルを差し向けた。捜査を開始して早々、ベルのもとに正体不明の美女
が現われ、ソルトレイクシティではまたもや銀行が襲われる。捜査は難航した。しかし、ベルは同僚と
ともに新しく手に入れたわずかな証拠から犯人の拠点をサンフランシスコと断定。犯人を罠に掛ける
べく新聞に偽の情報を流すのだが―。(Amazonより引用)




20世紀初頭のアメリカ西部で、連続銀行強盗を追う探偵アイザック・ベルを主人公にした小説。
長身で女性を惹きつける目を持ち、家柄が良くてお金持ちという主人公の設定は、
クライブ・カッスラーの代表作であるダーク・ピットのキャラに似通っています。

また、自らの犯罪の達成のためなら他人を平気で殺すという強盗処刑人の人物設定も、
『ダーク・ピット』シリーズに登場してきた幾多の悪役と共通しているような感じがしました。


自動車やその他の乗り物に関する描写もカッスラーの趣味がさく裂しており、
バイクや自動車、蒸気機関車、汽船といった乗り物がたくさん登場しています。
特に後半では、蒸気機関車の決死の追跡劇が描かれ、シンプルながらも
主人公ベルと強盗処刑人による駆け引きが否応にも盛り上がる流れになっていました。

昔に書いていた本に比べ、今回は文章が短くまとまっているような印象だったけど、
随所に差し込まれているカッスラー節は健在であり、なんだかんだで後半は一気に読んでしまった。
冒頭の書き出しで、どのように物語が終わるのか、ある程度予想できてしまう点もあるが、
終わり方は爽やかでした。


次回作の『大破壊』から、別の作家さんとの共作で出版されており、
その後もシリーズ化しているようだけど、日本では2作目までしか出ていない模様。
『ダーク・ピット』シリーズの最新刊もまだ出ていないので、
そろそろ日本での出版をお願いしたいところ。






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平成29年2月中の読書まとめ(3冊)

2月の読書メーター読んだ本の数:3読んだページ数:1084ナイス数:7
砂漠の狐を狩れ (新潮文庫)
砂漠の狐を狩れ (新潮文庫)感想
思っていた内容と違っていたけど、それでも興味深く読めた北アフリカ戦線が舞台の冒険小説。
だだっ広い砂漠だから隊列を組んで走ったら迷うことないだろうと思いきや、これが意外と迷って
しまったり、車で砂丘を乗り越えるにはコツがあったりと、過酷な砂漠での走行術や知恵と工夫が
生死をわける。敵であるロンメル元帥の騎士道的精神が垣間見えるラストがドラマチックでした。
読了日:02月07日 著者:スティーヴン プレスフィールド


呪われた海底に迫れ (下) (新潮文庫)呪われた海底に迫れ (下) (新潮文庫)感想下巻も所在不明となった沈没船や飛行機、飛行船の
探索における悲喜交々を綴っています。「たぶんこのあたりにあるはずなんだけど・・」と見つかりそ
うで見つからない時のもどかしさや地道な探察作業の苦労が文面から伝わってきます。船や飛行機
が沈没する過程はフィクションとして描かれているけど、実際そんな感じだったんじゃないかと想像を
ふくらませてくれる。特に飛行機が崖に激突して、破損したプロペラが乗員を切り刻んでしまう描写が
ゾクッとした。超能力者の力も借りるも、結局発見できなかった時の気まずさが何とも言えない。
読了日:02月08日 著者:クライブ・カッスラー


追われる男 (創元推理文庫)追われる男 (創元推理文庫)感想ヨーロッパのとある国の人物の暗殺に失敗し、命からがら母国
イギリスに戻るも、追手が迫ってきて逃亡を余儀なくされる男の冒険を描いた古い小説。主人公
が書いた日記という体裁で進み、ひたすら逃げて隠れてという描写が続きます。変装したり偽装
工作したり、挙句の果てには田舎の山の中で穴を掘ってサバイバル生活を送るようになり、山猫
と仲良くなるのがホッコリしました。追手に居場所を突き止められて絶体絶命のピンチになった際、
主人公が諦めずにアイディアを振り絞って、逆襲に打って出るのが熱い展開でした。独特の文体だけど、
短い小説。
読了日:02月18日 著者:ジェフリー ハウスホールド
読書メーター










    

『コロンブスの呪縛を解け』(上下)読了 もっと新味を出して欲しかった。

コロンブスの呪縛を解け〈上〉 (新潮文庫)

『コロンブスの呪縛を解け』(上下) クライブ・カッスラー 、ポール・ケンプレコス著

ナンタケットの冷たい海底に沈む豪華客船、アンドレア・ドリア号の残骸。だが、そこにコロンブス以前の
貴重な財宝が眠っていることを知る者は少ない…。NUMA特別出動班のカート・オースチンは、モロッコ
の沖合いで作業中に、何者かに襲撃されていた美貌の考古学者ニーナ・キーロフを救う。ニーナが探り
当てていた人頭石像の秘密とは?NUMAの精鋭総登場の新シリーズ発進。(Amazonより引用)







ダーク・ピットが所属している国立海中海洋機関NUMAの同じ職員である
カート・オースチンとジョー・ザバーラを主人公にしたスピンオフ的な作品の第1弾。

ダーク・ピットシリーズのレギュラーメンバーである上司のサンデッカー提督や
同僚のルディ・ガンなどの登場人物が顔をそろえ、ピットとジョルディーノもちらっと出てきます。
内容的には似たり寄ったりの雰囲気で、アクションとミステリーの割合が半々ぐらいだった。
時代背景的には、ピットとジョルディーノが南極へ向かうと言っていることから
シリーズ15作目の『アトランティスを発見せよ』の頃ぐらい?


今回の小説では、アメリカ大陸を発見した探検家クリストファー・コロンブスの
最後の航海の謎と古代文明の財宝、それにまつわる秘密結社の陰謀を描いていました。

コロンブス以前に別の人物がアメリカ大陸に到達していたという話は、
ダーク・ピットの小説のほうでも数回扱われていたなあ。
また、オースチンが古式銃で現代銃器を持った敵と戦うという不利なシチュエーションも
同じくダーク・ピットシリーズの後期で出てきています。


クライマックスの遺跡の探索から財宝の発見、悪役との決戦がコンパクトにまとまっているせいか、
本家のダーク・ピットシリーズほど盛り上がらなかったな~という印象。

新しい主人公のオースチンとザバーラもそこまで愛着が湧いてこず、次回作を読むべきか保留中。
遺跡の盗掘団に追われて、命からがら逃亡劇を繰り広げることになる
女性海洋生物学者のガメーとチイ博士のキャラは何気に良かったのだけど。








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シグマフォースシリーズ最新作『ダーウィンの警告』(上下)読了 六番目の大絶滅を防げ!!

ダーウィンの警告【上下合本版】 シグマフォースシリーズ (竹書房文庫)
ダーウィンの警告【上下合本版】 シグマフォースシリーズ (竹書房文庫)

『ダーウィンの警告』  ジェームズ・ロリンズ著

カリフォルニア州の軍事研究施設から、爆発とともに謎の物質が流出した。その研究所から発信された
最後のメッセージは、“殺して…私たちを全員、殺して”。現地に赴いたシグマフォースのペインター・クロ
ウ司令官は、山間部を死の世界に変えながら拡散する物質の封じ込め作戦の指揮を執るが、正体不明
の物質への対処法が見つからない。一方、研究施設で行なわれていた実験内容を探っていたグレイ・ピ
アース隊長は、施設の爆発後に行方不明となったケンドール・ヘス所長の知り合いのアレックス・ハリント
ン教授から要請を受け、南極大陸に飛ぶ。しかし、現地ではグレイたちの調査を妨げる勢力が待ち構えて
いた。カリフォルニア州での災厄と氷の大陸での攻撃を、裏で画策しているのはいったい何者なのか?
(Amazonより引用)




「シグマフォース」シリーズ最新作『ダーウィンの警告』(上下)を読み終わりました。
エピソード0の『ウバールの悪魔』から数えると、10作目にあたります。

英語原題は「The 6th Extinction」
本作のテーマにあたる「六番目の大絶滅」を示しています。
直訳でタイトルにしても良さそうだけど、これまでの邦訳タイトルは固有名詞のカタカナから
始まっているので、それに合わせているのでしょう。
セガール映画の『沈黙の~』のタイトルと同じ理屈だぁ!(勝手な追い込み)


●『ダーウィンの警告』のプロモ動画




◆良かったところ



ダーウィン自体は冒頭しか出てこないけど、
映画の『エイリアン』みたいな不穏な雰囲気で、出だしの掴みとしてはOKでした。


今回の本の舞台は南極大陸をメインにしており、これまでの話に比べて、
生き物や遺伝子に焦点を合わせたストーリーになっています。
後半に話が進んでいくにつれて、例によってサスペンスが加速していき
続きが気になってどんどん読んでしまった。


南極大陸の地中深くに生息する未知の生き物や遺伝子操作によって改良が加えられた
植物の描写に力が入っており、獣医さんの経歴を持つロリンズさんがウキウキした気分で
執筆活動に勤しむ姿が見に浮かぶよう。
「シグマフォース」シリーズ以外に書いた冒険小説『アイス・ハント』や『アマゾニア』とは、
また違った別の凶悪な生き物を登場させており、種類の豊富さに頷かされました。

ほか、南極の基地でのスペクタクルな脱出シーンや最新鋭の兵器(音響系)、
乗り物を使った戦闘といった活劇も申し分なかった。


主人公のグレイと父親との関係が少し進展しそうな感じを見せていたのも良かったし、
「何度も世界を救っているのに、親父を救うことはできないのか」と悩むグレイに対して
投げかけられた優しいフォローの言葉にじんわりした。




◆ここはうーんなところ



今回はシグマフォースのレギュラーメンバーのモンクとキャット、セイチャンの出番が
少なかったのが寂しかったですね。
これは、新たな登場人物が活躍するためで、やむを得ないのだろうけど、
いつも現場に出向いているムードメーカーのモンクがいないのはちょっと違和感がある。

その新たな登場人物というのが、実は『地底世界 サブテラニアン』に出てくる
成長したあの人だったということで、次の話から再登場するんでしょうか?




◆まとめ


・凶悪な南極の生き物の描写が良かった。

・映像化したら凄そうな南極基地での脱出シーンがお気に入り。

・モンク、キャット、セイチャンの出番が少ない。

・氷に閉ざされた南極の地下には何かがありそうな気持になってくる。

・結局人類がおっかない。





巻末のあとがきによると、次回作の『イヴの迷宮』(仮題)は2017年夏に刊行予定で、
また、『シグマフォース』シリーズの映画化が動いているそうです。






■ジェームズ・ロリンズの小説の関連記事

・『チンギスの陵墓』(上下)読了

・『シグマフォース シリーズⓍ Σ FILES〈シグマフォース〉機密ファイル』読了

・『地底世界 サブテラニアン』(上下)読了

・『アマゾニア』(上下)読了 密林に眠る古代の謎

・『〈シグマフォース外伝〉タッカー&ケイン シリーズ1 黙示録の種子』読了





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