暗殺者の飛躍〔上〕 (ハヤカワ文庫 NV)

『暗殺者の飛躍』 マーク・グリーニー著

“グレイマン(人目につかない男)”と呼ばれる暗殺者ジェントリーは、黒幕を倒し、CIAのグレイマン
抹殺指令は解除された。彼はフリーランスとしてCIAの仕事を請け負うことになり、逃亡した中国サ
イバー戦部隊の天才的ハッカー、茫の行方を突き止める任務を帯びて香港に赴く。囚われの身と
なっていた元雇い主に再会したグレイマンは、中国の目を欺くため、元雇い主を通じて中国総参謀
部の戴から茫を暗殺する仕事を引き受ける。(Amazonより引用)




久しぶりに紙書籍で読みました。電子版も発売中~。

前作『暗殺者の反撃』で一区切りがついた暗殺者グレイマンことコートランド・ジェントリー。
古巣に復帰して早々、新たな任務で香港に飛ぶグレイマン。
恩義がある元雇い主の危機を救うため、かなり難しい任務を遂行しようとします。
表向きは依頼主である中国諜報部の望み通りにターゲット(ハッカー)を暗殺すると見せかけて、
密かにCIAにピックアップさせるという「スパイ大作戦」みたいな話。

尾行がついていないか毎回確認するなど、
用意周到な主人公の隠密行動は相変わらずであり、
たった一人で多勢の敵と交戦する見せ場も用意されています。

上巻では自前の拳銃を身に着ける機会が少なく、その場で入手したナイフや
敵から奪った拳銃、ライフルで応戦することが多かった。
時には人間ですら弾よけに使っちゃう臨機応変ぶり。
敵地に潜入する場面では、かくれんぼ的なハラハラ感があって、
後半は一気に読んでしまった。

同じターゲットを狙うロシア情報部も登場して焦るグレイマン。


ミッションの最中でも、困った人が目の前にいると助けてしまう人情派のジェントリー。
敵に拘束されている状況下で、わずかな隙をついて脱出をやってのけてしまうのが流石でした。
後半は腕の立つロシアの女性工作員ゾーヤと共同戦線を張り、ターゲットの奪還を図る展開だったけど、
ゾーヤのキャラが良かったので再登場してくれるとありがたい。

エピローグはちょっとほろ苦い感じだったけど、
スパイの世界だと、皆がハッピーというわけにはいかないのでしょう。





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