
『白き女神を救え』 クライブ・カッスラー 、ポール・ケンプレコス(著)
クジラの集団死の原因を探るべく、メキシコ海域に向かったNUMAのオースチンとザバーラ。
だが二人は海中で高熱を発している施設を調べるうち、大爆発に巻き込まれる。
一方、ベネズエラの熱帯雨林で調査活動を行なっていたトラウト夫妻は、高度な技術力で
先住民を率いる「白き女神」と出会う。やがて彼らは皆、全世界で水系の制圧を狙う組織の
標的に―。(Amazonより引用)
「NUMAファイル」シリーズ第2弾。ボートレース中にクジラの死体に遭遇したことがきっかけで、
水資源を巡る陰謀に立ち向かう国立海中海洋機関のオースチンとザバーラの活躍を描いています。
前作の『コロンブスの呪縛を解け』は、ラスト付近がもうひとつでしたが、
今度の本は身近な水を題材に扱っているせいか、取っ掛かりやすかった。
小説の中で海水を真水に変える画期的な装置が登場しているけど、
現実世界で実現するには、まだ技術的な面や資金と時間がかかるのでしょう。
内容的にはやはりダーク・ピットシリーズと話の展開が似ている部分があるものの、
前作にも登場した海洋生物学者のガメーとポール夫婦が再び活躍していたのがうれしかったし、
水資源の独占を目論む長身の女性代表と、その手下であるサディスティックな双子の
殺し屋のキャラがおおむね立っていたのが好印象でした。
主人公が諜報機関や警察でもないのに、秘密の軍事施設に潜入しちゃったり、
敵の本拠地に殴り込みをかけちゃうのは御愛嬌~。
本家のダーク・ピットでも使えそうな小説の題材だったけど、
さすがに1年に何度もピットが事件に巻き込まれるのは、
『名探偵コナン』じゃあるまいし、と懸念して、
作者のカッスラーが遠慮したのかな~と思ってもみたり。
ただし、ダーク・ピット物の小説は20作を超えています。
また、秘密施設への潜入や大規模な爆発シーンもあることから、
ジェームズ・ボンド映画のプロットにも流用できそうな気もしたけど、
すでに『007/慰めの報酬』で水を独占するストーリーを撮っていたので遅かった。
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