ロマノフの幻を追え〈上〉 (新潮文庫)

『ロマノフの幻を追え』 クライブ・カッスラー 、ポール・ケンプレコス(著)

1918年、「オデッサの星」は革命直後のロシアから出航した。極秘の荷物と乗客を載せて―。
一方、現代の合衆国では、メイン州を原因不明の津波が襲う。さらにエーゲ海では、米海軍の
小型潜水艦が何者かに乗っ取られ、旧ソ連の潜水艦基地へと運ばれた。すべてをつなぐ線上
に浮かんだのは、帝政復活を目論む富豪ラゾフ。オースチンはかつての仇敵ペトロフと組んで、
真相を探り始める。(Amazonより引用)



シリーズ第3弾。今度の敵は帝政復活を企むロシアの富豪と怪しげな修道僧。
アメリカの潜水艦が乗っ取られ、乗員もろとも行方不明になる展開は映画『007/私を愛したスパイ』のようだった。

あいかわらずオースチンとザバーラが元気に活躍しており、
ピンチの際のウィットに富んだセリフが絶妙。
過去にオースチンと因縁があるロシアの諜報員が、なかなかの敏腕で、味のあるキャラでした。
前作に引き続き、ポールとガメー夫妻が再登場し、ホテルに着いた直後に呼び出しが掛かって
「やれやれ」な場面が可笑しかった。

あいかわらず、敵の最前線に出向いちゃうのは冒険小説のヒーローの常です。
クライブ・カッスラーの作品では、古いものを使って現代兵器を持った敵に
立ち向かう展開がよくあるのですが、本作もそうでした。

悪役の最期は意外とあっけないもので物足りなさもありましたが、
因果応報な結末でスッキリといえばスッキリ。
過去にオースチンと接点があったペトロフのキャラが良かったので、
また登場してくれるとありがたい。







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