クライブ・カッスラー、ポール・ケンプレコス(著)
地軸反転、すなわち北極と南極が入れ替わってしまったら地球の運命はどうなるのか―?
事件のきっかけはアメリカの最新鋭大型貨物船が大西洋航行中に消息を絶ったことだった。
巨大な波に襲われたというが、それを機に各地の海で奇怪な超大型渦潮が観測される。
世界が恐怖のどん底に叩き込まれるなか、調査に乗り出したNUMAのオースチンだったが…?
(Amazonより引用)
シリーズ第6弾。今回の敵は地球の地軸を反転させるエネルギーの
研究を悪用して世界を混乱させ、利益を得ようと企みます。
小説の前半で大型貨物船が巨大渦潮によって沈没するなど、
なかなかスケールの大きい話で、毎度海に関する作者の知識の豊富さに驚かされます。
例によって陰謀に巻き込まれたNUMA(国立海中海洋機関所属)のオースチンは
相棒のザバーラと共に持ち前の探求心と使命感を発揮して、
地軸反転による壊滅的な被害を防ごうと行動を起こします。
巨大渦潮に巻き込まれた仲間を救出する場面は、
映画『ミッション:インポッシブル』ばりに一触即発なハラハラ感があり、
渦潮の中の描写は、まるでその場にいるかのような臨場感がありました。
下巻では、地軸反転を阻止する手がかりに繋がる女性の救出に奮闘するオースチン。
古代の生き物の子孫が登場し、それを利用してピンチを打開する場面はアイディアものでした。
1作目にも登場していた本家ダーク・ピットがゲスト出演していたけど、
主役を邪魔しない程度のちょっぴり具合。
昔の乗り物を使った追跡劇はもう一押しハラハラ感が欲しかった。
オースチンに地軸反転の計画を知られているにも関わらず、
積極的に抹殺しない悪役の詰めの甘さが気になりました。
今回、悪役が3人登場していたけど、もうひとつ印象が薄かったなぁ。
一応オースチンたちは政府機関にも、危機を伝えるも、
最終的にはNUMAの面々が大活躍して、スッキリする終わり方でした。

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