粒子エネルギー兵器を破壊せよ

『粒子エネルギー兵器を破壊せよ』  原題:Devil's Gate

クライブ・カッスラー、グラハム・ブラウン(著)

東大西洋のアゾレス諸島へ向けて航海中、NUMA(国立海中海洋機関)のカート・オースチンは
黒煙を上げる貨物船を発見。救助に向かうも、襲撃した海賊は逃走し、貨物船は沈没する。
事件の真相を探るべく海底に潜ったオースチンの目に飛び込んできたのは多数の船舶と航空
機の残骸が散らばる光景だった。これはいったい…この海域にどんな力が働いているのか?
世界中から科学者が調査にやってくるが、オースチンとNUMAの面々は、逃走した海賊とこの
船の墓場に陰謀のにおいを嗅ぎとる。“NUMAファイル”シリーズ再始動。(Amazonより引用)




Kindle版で読了。新潮文庫から扶桑社に移って邦訳されたNUMAファイルシリーズ9作目。
ついでに本作から共著者がポール・ケンプレコスからグラハム・ブラウンに代わっています。

何はともあれ続きが読めて良かった!
まだ前2作『フェニキアの至宝を奪え』、『パンデミックを阻止せよ』 が未読なのだけど、
お先に読んでしまった。

ダーク・ピットシリーズのスピンオフ作で、
本家のシリーズと内容が似たり寄ったりな部分はあるものの、
毎度エンタメ志向で夏場に飲む炭酸飲料のようなスカッとした読み応えを提供してくれるのが有難い。


本作は2011年のエピソードの設定で、主人公オースチンとザバーラが、
粒子エネルギー兵器を巡る陰謀に巻き込まれ、持ち前の機転と能力で
迫りくる危機に立ち向かっていく姿を描いています。

本来ならば、CIAなどの諜報組織や軍隊が対処しそうな案件ながらも、
例によってオースチン達が最前線で活躍し、一触即発の危機へのピンチヒッターになっていました。

粒子エネルギー兵器がアメリカ本土に向けられてしまう陰謀のスケールの大きさや
悪知恵が働く悪役アンドラスのキャラ立ち、趣向を凝らした海中でのピンチの脱し方、
クライブ・カッスラー小説の定番である歴史的な宝物探しといった要素が凝縮されていて、
エンディングもほんわかした感じで大いに楽しんで読むことができました。


NUMAの船がしょっちゅう襲撃を受けているせいか、
本作ではようやく船に銃器を装備したようで、冒頭でオースチンとNUMAの船員が
M16ライフルを手に、貨物船の襲撃犯と戦っています。
シリーズ1作目の『コロンブスの呪縛を解け』ではオースチンが自前の古式銃で
敵の攻撃集団を撃退する展開がありました。



本家のダーク・ピットも登場し、ゲスト出演以上の存在感を放っていました。
今回はオースチンとザバーラが陰謀の渦中に飛び込む際、
飛行機のチャーター代や武器の用意、先々で壊してしまった弁償などで
そこそこの大きな経費を計上しているらしく、そのあたりのことを絡めた
オースチンとピットとのやり取りに軽妙さがありました。

これは印字ミス、あるいはデータのバグなのか、1か所ダーク・ピットの名前が
ダート・ピットになっていました。紙書籍もそう?


●文庫本、Kindle版(Amazon商品リンク)




粒子エネルギー兵器を破壊せよ(上) NUMAファイル (扶桑社BOOKSミステリー)

粒子エネルギー兵器を破壊せよ(下) NUMAファイル (扶桑社BOOKSミステリー)








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