
『アイリッシュマン』 原題:THE IRISHMAN
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ ほか
Netflixにて配信中のマーティン・スコセッシ監督の最新作『アイリッシュマン』を鑑賞。
上映時間3時間半の長尺の映画だったので、3~4回ぐらいに分けて見た。
『グッドフェローズ』のようなギラギラした雰囲気はあまりなく、
どちらかといえば人生の終盤について悲哀がじんわりと伝わってくる、
枯れた味わいのある映画でした。
人生の終わりでそれまでの行いをどうにか直そうとするのだけど、
もう時すでに遅しの状態の主人公の姿を見ると、
こんな風にはなりたくないと思ってしまった。
アイリッシュマンことフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)が語る現在(1990年代)、
若かりし頃の1950年代、1970年代の時間軸を交差させて描かれる裏社会のお話。
全米トラック労働組合の委員長を務めたジミー・ホッファ(アル・パチーノ)のことは
あんまり知らなかった人物。
映画内では「遅刻」を許さず、相手がマフィアのボスだろうとも一歩も引かない頑固な性格。
演じているアル・パチーノのエネルギッシュな演技がそれを高めていました。
マフィアとホッファの間で板ばさみ状態になるフランク役のデ・ニーロが
いろんな困り顔を炸裂させていて、その演技の引き出しの多さだけでも見ごたえ十分でした。
劇中に登場する料理がどれも美味しそうに見えた。
特にワインに浸して食べるパン。
映画の後半で、マフィアのラッセル(ジョー・ペシ)が刑務所で食べようとするのだけど、
歯が抜けてしまって思うように食べられないシーンがあり、
すっかり年老いてしまったラッセルの姿が侘しくて、印象に残りました。
映画では主要な俳優陣がVFXの効果によって若い頃と往年期の顔が
加工されているのだけど、そんなに違和感なく見れました。
杖なしでは歩けなくなった肉体の衰えを感じさせるデ・ニーロの演技も良かった。
・映画『アイリッシュマン』登場銃器一覧
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Thoughts on 『アイリッシュマン』 デ・ニーロの困り顔の極致!