気象兵器の嵐を打ち払え


『気象兵器の嵐を打ち払え』   原題:THE STORM

クライブ・カッスラー、グラハム・ブラウン(著)

インド洋を漂流する焼けただれた船が発見された。水温調査をしていた
NUMA(国立海中海洋機関)の双胴船だった。サルベージと真相究明に
モルディブへ向かったオースチンらNUMA特別出動班は、船体の燃え滓
の中に異常な物体を大量に見つける。顕微鏡を覗いてみれば、まるで微
小な“機械“のようにも見えるが、これは……。出動班の面々は手がかり
を求め、電子の神と称されるエンジニアにして環境保護主義者のマルケッ
ティのもとに急ぐが、彼らはそこでさらに大きな脅威を目撃することになる。
(Amazonより引用)







シリーズ第10作。インド洋で水温調査を行っていたNUMAの船が焼けただれた状態で発見され、
乗組員3名も行方不明に。オースチンとザバーラが調査に赴くと、現場にはナノボットを利用した
陰謀が待ち受けていて…というお話。

海と陸を舞台に縦横無尽に活躍するNUMAシリーズ最新作、今回も楽しめました。
今年2月に原作者のクライブ・カッスラーが惜しくもお亡くなりになりましたが、
NUMAシリーズは17作まで書かれているので、邦訳が待ち遠しいです。

現時点でシリーズ7,8作目が未読なので、折を見て読みたいところです。


本家のダーク・ピットはゲスト出演だけど、主人公らに指示を与えつつ、しっかりバックアップ。
NUMAシリーズのレギュラーメンバーであるトラウト夫妻も登場し、オースチンと共に陰謀に
立ち向かっています。


どんなピンチな時でも軽口を言い合うオースチンとザバーラに和まされます。
警察や法律はどこへやらで敵の本拠地に密入国しちゃうNUMAの行動力がすごいです。

本来ならば、軍の特殊部隊や諜報機関が手助けしていそうなところ、
そんな悠長なことは言ってられないと云わんばかりに主人公らは潜入してしまいます。
さらに現地で輸送手段が用意されているというスパイ顔負けの展開!
※一応NUMAは、アメリカの国立海中海洋機関です。


気候変動を目論む実業家ジンの陰謀を知ったオースチンとザバーラは二手に分かれ、
外部へ危機を知らせようとする中、井戸の底に落とされた二人が知恵を振り絞って
脱出を図ろうとする場面は冒険小説の王道っぽくて良いです。


ヒロインを救出した後、乗っ取った飛行機でジンの飛行部隊と対決するくだりは
無茶に無茶を重ねたアクション映画の活劇ぶりで読んでいて思わず白熱しました。
一方ザバーラもエジプトのダムの決壊を防ぐため潜水スーツを着込んで決死の行動に出て大忙し。
後半では、オースチンのピンチを救ったのは過去の発明品だった!
というカッスラー作品の定番要素が登場していました。

電子書籍版の付録では、あとがきの後に、
前作『粒子エネルギー兵器を破壊せよ』の冒頭部分が収録されていました。





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