
スタンリー・レーン・プール(著) 前嶋 信次 (翻訳)
中古本で購入。
15世紀から19世紀中頃にかけて地中海で暴れまわったバルバリア海賊とヨーロッパ各国の
戦いの歴史をまとめた内容。40年前ぐらいに出版された本で、翻訳された文章が独特で
若干読みづらかった。
中身は悪くなかったので読み応えあり。
地中海沿岸の国々はしょっちゅう海賊の餌食になっていたそうで、
攫われた人は奴隷にされたり、ガレー船の漕ぎ手でこき使われていた。
身代金を払って釈放された人もいれば、国に帰っても生活できないから
敢えて奴隷の身分のままで過ごした人もいた。
ヨーロッパ各国も海賊の根城の街を攻撃した際に略奪や多数の住民の殺害を行っており、
傍から見ればどっちも似たような行動を取っている。
イスラムとキリストという宗教対立も絡み、戦いを一層激しいものにしていた。
19世紀初めにアメリカ合衆国がバルバリア海賊に対して断固たる対応を取るところなんかは、
アメリカの国としての精神を窺えるエピソードだった。
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